ムギのワンコライフ。その5~ムギの気持ち~

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

僕はムギである。

皆がそう呼ぶから、そうなのだと思っている。

 

僕は2017年5月に、この世に生まれた。

まだまだ自分が何者なのか、どこへむかっていくのか、

正しいことが何なのか、解らないでいる。

ただ、

 

僕が僕であるために 勝ち続けなきゃならない(by尾崎豊)

そんな(どんな?)僕に、

こんなベッドは合わない。そもそも小さすぎるんだ。

だからメタメタに引き裂いてやった。僕は勝ったのだ。

 

 

 

桃の節句に、ピンクの『ちゃんちゃんこ』を着せられた。

僕のお世話をする人は、安いからとベッドに続きまたしても失敗したんだ。

サイズが合ってない。

ダイソーなる100円均一で、100円ではなく200円の犬用『ちゃんちゃんこ』を買ってきた。

腕が通らないものだから、紐で肩に結ばれた。

 

おかあさんには、

「防空頭巾のようね」(笑)

と、言われた。

皆の笑いものだ。屈辱的である。

故に後でこの、『ちゃんちゃんこ』も引き裂いてやった。僕は勝ったのだ。

後ろに写っているいる布は、盗んた座布団をくわえて走り出した後の戦利品である。

座布団カバーだ。

赤いタオルは与えられた物だが、引き裂いておいた。

 

僕は雨の日に『レインコート』を着せられるようになった。

着せられることは、やはり屈辱的であり好きではない。

シャカシャカという音に、散歩中振り返ってしまうこともある。

耳障りだ。

だけど先日これを着て散歩していたら、普段無表情で通り過ぎるご婦人が

最高の笑顔で僕に挨拶してくれた。

僕はこれを着てあげても良いかもしれない。

 

そう思ったりしたけれど、

頭上にハンガーで掛けられたりすると、

「これは僕のものだっ!!僕はこれを着て外へ出るという苦行にも耐えたっ!!

僕はこれをもらってもいいはずだっ!!

そのシャカシャカに歯を食い込ませる権利があるっ!!

これは僕のものだっ!!僕のものだっ!!僕にかえせぇぇぇぇっっ!!」

 

我を忘れて訴えてしまうことがある。

 

僕はまだ自分が何者であるのか、どこへむかっていくのか、

正しいことが何なのか、解らないでいる。

 

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*